こころにふれたもの こころにあふれたもの |
その声も その指も 言葉にならない 熱さまで すべて あなたを想わせるから 雪を溶かして 私を溶かして だまって 優しく だきしめていて
頬に触れるぬくもり 伝わる 鼓動 あなたが いる あなたと いる
すべて 伝わっている 射抜くようなその目で つつむようなその手で 必然なのは どこまで
その手のひらに
私がいるから
噛み締めていて
握り締めていて
こぼれてしまわないように そばにいられるように
弥生とは 名前ばかりの みぞれ雪 三月七日の 翁草の花
風がやむと まるで 切り取られた絵葉書のよう 石畳に響く 足音と 少し早まる 鼓動 やさしい灯の 一つ一つが そっと語りかける 世界で一番 やさしい時間 柔らかく 静かな夜
あの日 そばにあった どんな小さな光にも 今は触れられないけれど 思わず笑ってしまうような その ひとことが もらえたから 急に 時間が こぼれてゆく 急に 身体が ほどけてゆく もう少し もう少しだね
それでも 渡ってみたら 少しは近づけるかもしれない 見えなくとも 触れられずとも 仄かな雨の匂いのように 聞こえなくとも届く あなたの声のように |
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